日本で食べられるウニ6種類の特徴・味・産地やミョウバンの役割を解説
目次
ウニは、その独特の味わいと高級感で、多くの食通に愛されている食材です。寿司店では特に人気のあるネタの一つとして知られ、その豊かな味と食感は格別です。
本記事では、ウニ愛好家、またはウニについてさらに知りたい方々に向けて、ウニの種類別の特徴や味の違い、ミョウバンの役割、そしてなぜ洋野町のウニが特別に美味しいのかについて詳しく解説します。
ウニに対する新しい知識と理解を深め、あなたの食卓を豊かに彩るための情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも「ウニ」とは
ウニは棘皮動物に分類される海洋生物で、ヒトデやナマコの仲間です。その特徴は、体全体を覆うトゲと、固い外殻にあります。
食用とされる部分は、ウニ内部のほとんどを占める部分である「卵巣または精巣」です。また、卵巣と精巣の区別は、顕微鏡で確認しないと判別が難しいといった特徴があります。
ウニはその独特な風味と高級感から、海産物の中でも特に人気があり、贈答品としても非常に喜ばれる食材です。
美味しいだけじゃない!ウニは栄養も豊富
ウニはただ美味しいだけではありません。栄養価も非常に高く、特にビタミンAが豊富に含まれており、肌の乾燥を防ぐ効果があるとされています。
また、ビタミンB群やビタミンEも豊富です。これらは体内の新陳代謝をスムーズにし、健康維持を助けます。
さらに、ウニには必須脂肪酸であるDHAやEPAも含まれており、心臓病のリスクを低減するなど、多くの健康効果が期待されています。
つまり、ウニは味わい深いだけでなく、栄養価の高い食材と言えるでしょう。
参考:食品成分データベース|食品番号: 10365 食品群名/食品名: 魚介類/<その他>/うに/生うに|文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10365_7&MODE=0
日本で食べられるウニ6種類!味の違いと主な産地も紹介
日本では多様な種類のウニが楽しまれており、それぞれに独自の味わいと特徴があります。ここでは、日本で人気のある6種類のウニとその特徴、主な産地について詳しく紹介します。
キタムラサキウニ
キタムラサキウニは、すっきりとした上品な甘みがあり、クセの少ないのが特徴です。旬は5~8月。主な産地は太平洋側の相模湾より北、日本海側では山口県より北で、特に三陸海岸沿いの岩手県で多く見られます。
大きさは約10cm程度で、ずっしりと身が大きくボリューム感があり、色が薄い黄色のため、「白ウニ」とも呼ばれることもあります。
ムラサキウニ
ムラサキウニの味はしっかりとしていてコクがあり、濃厚です。生息地が広範囲なため、産地によっても味が異なることもあります。
旬は6〜8月で、主な産地は太平洋側では茨城県より南、日本海側では秋田県より南です。大きさはやや小粒で、5〜7cm程度が一般的なサイズです。
エゾバフンウニ
エゾバフンウニは甘みが強く、まったりとしていて濃厚な味わいがあります。旬は7〜9月で、主な産地は北海道と東北です。
身の色は鮮やかなオレンジ色で、殻は緑色をしており、大きさは約6cm程度とムラサキウニと似たようなサイズです。
バフンウニ
バフンウニはしっかりしたコクがあり、濃厚な味わいが特徴として挙げられます。旬は3〜4月で、主な産地は東北から九州にかけての日本海沿岸です。
身の色は鮮やかな濃い黄色で、加工してから出荷されることが多く、大きさは約4cmと小ぶりです。
アカウニ
アカウニは甘みが強く、濃厚で身がしっかりとしています。旬は5〜10月で、主な産地は佐賀県と長崎県です。
他のウニに比べて収穫量が少ないため、希少価値が高い品種で、大きさは5〜7cm程度とやや小粒サイズです。
シラヒゲウニ
シラヒゲウニはさっぱりしており、淡泊な味わいがあります。旬は7〜8月で、主な産地は鹿児島県と沖縄県です。
沖縄では「ウニ」と言えば、通常シラヒゲウニのことを指します。大きさは約10cm前後で、トゲは白く短いのが特徴です。
「食べられない」ウニの種類とは?
日本近海には約140~160種のウニが生息していると言われていますが、食用とされるものは一部に限られます。ここでは、食べられないウニの代表的な種類について解説します。
ガンガゼ
ガンガゼは房総半島より南に分布しており、食べられないウニの代表的な存在です。このウニは長さ約30cmのトゲで覆われており、そのトゲには毒があります。
トゲが刺さると折れやすく、先が体内に残ることがあります。そのため一般的には食用にされず、釣り餌として利用されることが一般的です。
ただし、九州の一部では食用として漁獲されるケースもあります。
ウニとミョウバンの関係と加工方法の種類
ウニを加工する際に使用されることがあるミョウバンについて、その役割とウニの加工方法について解説します。
ミョウバンの役割
ミョウバンの正式名称は「硫酸アルミニウムカリウム」と言い、ウニに使用されることの多い食品添加物の一つです。
ウニは空気に触れると溶けやすく、身崩れしやすい性質を持っています。ミョウバンはウニの組織を引き締め、身崩れを防ぐ効果があり、見た目の美しさを保つために使用されます。
ただし、ミョウバンを使用したウニには特有の苦みや渋みを感じると言う指摘もあります。とはいえ、旬を過ぎたウニにも苦みの出ることがあるため、ミョウバンの使用が必ずしも品質の低下を意味するわけではありません。
ミョウバンは主に「板ウニ」という加工方法の際に使用されます。
その他、ウニの加工方法については次の章で解説します。
ウニの加工方法の種類
- 生ウニ:新鮮なウニをそのまま食べる最もシンプルな形態。
- 塩ウニ:ウニを塩水で洗い、塩漬けにしたもの。
- 塩水ウニ:塩水に漬け込んで保存する方法。
- 板ウニ:ウニを板状に加工し、ミョウバンで固める方法。
- 粒ウニ・練りウニ:ウニを粒状またはペースト状に加工したもの。
これらの加工方法は、ウニの味や質感、保存性を異なる形で楽しむために用いられます。それぞれの方法でウニの特性が引き出され、多様な食文化が生まれています。
岩手県洋野町(ひろのちょう)のウニが美味しい秘密
岩手県洋野町は、岩手県最北の太平洋沿岸に位置する町で、良質な海産物が獲れる地域として知られています。
洋野町には宮城県の気仙沼のような湾がなく、外洋に面した漁場を持つ特有の地形です。この地形はウニの生育に適しており、県内で随一の水揚げ量を誇ります。
天然コンブ「だけ」で育つ「うに牧場Ⓡ」のウニ
洋野町では、50年以上前から地域全体で「うに牧場Ⓡ(増殖溝)」に取り組んでいます。しかし、ウニは本来雑食性であり、食べたものによって味が左右されるため、良質なウニを育てることは容易ではありません。
洋野町のうに牧場Ⓡでは、浅瀬に広がる岩盤に3mの溝を掘り、天然コンブを増殖しています。沖合で3年間育ったウニを、これらのうに牧場Ⓡへ運び、天然コンブだけを食べさせることで、たっぷりと旨味の詰まった美味しいウニが育ちます。
岩手県洋野町のおすすめウニスポット
岩手県洋野町は良質なウニの産地であり、ウニを楽しめるスポットが多く存在します。ここでは、厳選した3つのスポットを紹介します。
株式会社はまなす亭
洋野町種市にある「はまなす亭」は、食事処とゲストハウスを兼ねたお店です。夏の間、地元で獲れた新鮮なキタムラサキウニが楽しめます。
この店で提供される「生ウニ丼」は、その美味しさから「ウニの概念が変わった」と評されるほど素晴らしく、リピーターが続出しています。しかし、食べられるのはゴールデンウィークからお盆くらいまでの期間限定なので注意しましょう。
また、ウニの他には天然ホヤ料理も名物です。
株式会社はまなす亭公式HP:https://uninosato-hamanasutei.com/
株式会社宏八屋
宏八屋は高級海鮮素材の直売店で、洋野町種市に位置し、全国への発送にも対応しています。
特に人気なのが、「洋野町ウニ牛乳瓶入」で、毎年5月中旬頃からの期間限定で受付されます。こちらの商品は新鮮なウニを詰めているため、ミョウバンは未使用です。
鮮度と品質にこだわりがあり、天候次第で入荷状況が変わるため、配達日の期日指定はできません。しかし、だからこそ「ミョウバン未使用の新鮮なウニを楽しむことができる」と言えるでしょう。
株式会社宏八屋公式HP:https://www.kohachiya.jp/
株式会社北三陸ファクトリー
洋野町種市にある北三陸ファクトリーは、水産加工や技術開発を行う会社です。ここでは、ウニ再生養殖にも取り組んでいます。
オンラインストアでは、北三陸の海産物を取り扱っており、旬の時期にはウニの全国発送を行っています。また、株式会社北三陸ファクトリーでは、新鮮なウニのみを提供しているため、ミョウバンは一切使用していません。
北三陸ファクトリー公式HP:https://kitasanrikufactory.co.jp/
今回は3社の紹介に留まりましたが、洋野町には他にも新鮮なウニを食べられるお店や会社がたくさんあります。ぜひ洋野町のウニを堪能してください。
まとめ
本記事では、ウニの種類や特性、ミョウバンの使用とその影響、そして岩手県洋野町でのウニ生産の秘密について詳しく見てきました。
洋野町のウニは、その特有の生産方法によって、他では味わえない豊かな味わいを実現しています。また、洋野町にはウニを存分に味わえる数多くのスポットがあります。
この地域独自のウニの風味を是非一度体験しに、岩手県洋野町を訪れてみてください。地元のウニの豊かな味わいと、洋野町の温かなおもてなしを楽しむことができることでしょう。