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未経験からでも挑戦できる溶接工の仕事とは?

現場のリアルと魅力を紹介

「将来のために手に職をつけたい」「なにか専門的な資格や技術を身につけたい」

そう考えて仕事を探す中で、「溶接工」という職業に興味を持った方もいるのではないでしょうか。しかし、専門的なイメージが強く、「未経験でもなれるの?」「どんな仕事内容なんだろう?」といった疑問も多いかもしれません。

この記事では、そんな溶接工の仕事について、現場のリアルな情報と魅力を詳しくご紹介します。

  • 溶接の基本的な知識と仕事内容
  • 溶接工の収入ややりがい
  • 仕事に役立つ資格と未経験から目指す方法

この記事を読めば、溶接工という仕事が具体的にイメージでき、未経験からでも挑戦できる魅力的な職業であることがわかります。ぜひ、あなたのキャリア選択の参考にしてください。

溶接とは

まず、「溶接」そのものについて簡単にご説明します。

溶接とは、2つ以上の金属材料に熱や圧力を加え、金属を原子レベルで接合する技術のことです。これにより、まるで元々一つの部品だったかのように、強力に一体化させることができます。

ネジやボルトで留めるのとは異なり、一度溶接した部分は簡単には外れません。この非常に強力な接合技術は、ビルや橋、自動車、船など、私たちの生活に欠かせない様々な製品や建造物を作るために用いられています。この専門的な溶接作業を行う技術者が「溶接工」です。

溶接の種類

溶接には多くの種類がありますが、大きく分けると「融接」「圧接」「ろう接」の3つに分類されます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

融接(ゆうせつ)

融接は、接合したい金属の母材そのものを、熱で溶かして一体化させる方法です。数ある溶接方法の中でも最も一般的なもので、多くの人が「溶接」と聞いてイメージする、火花を散らしながら行う「アーク溶接」や、ガスの炎で溶かす「ガス溶接」などがこれにあたります。強力な接合強度が得られるのが特徴です。

圧接(あっせつ)

圧接は、金属同士を強く押し付けながら、電気抵抗による熱や摩擦熱を加えて接合する方法です。材料を溶かすのではなく、非常に高い圧力をかけることで一体化させます。自動車部品の製造ラインなどで使われる「抵抗溶接」が代表的で、短時間で安定した品質の接合ができるのが特徴です。

ろう接(ろうせつ)

ろう接は、接合したい母材よりも融点の低い「ろう」と呼ばれる合金を溶かし、接着剤のようにして金属同士を接合する方法です。母材自体は溶かさないため、融接に比べて熱による変形が少なく、薄い板や異なる種類の金属を接合するのに適しています。身近な例では、電子基板のはんだ付けがこの一種です。

溶接工の仕事について

では、溶接工は実際にどのような環境で働き、どれくらいの収入を得て、どんな点に魅力を感じているのでしょうか。

現場・勤務先

溶接技術はあらゆる産業で必要とされるため、溶接工の活躍の場は非常に多岐にわたります。

  • 建設現場: ビル、マンション、橋などの鉄骨を組み立てる際に溶接を行います。
  • 自動車・造船工場: ボディやフレーム、船体ブロックなど、製品の根幹部分を溶接で作り上げます。
  • 機械・部品メーカー: 様々な機械や精密機器の部品を製造します。
  • 製鉄所やプラント: 配管やタンクなど、巨大な設備の設置・メンテナンスを行います。

このように、自分が関わりたい分野や業界を選べるのも、溶接工の仕事の面白さの一つです。

収入面

溶接工の収入は、経験やスキル、資格の有無によって大きく変わりますが、日本の平均年収と同等か、それ以上を目指せる職業です。

未経験のうちは平均より低いスタートになることもありますが、経験を積んでスキルを磨き、後述するような専門的な資格を取得することで、着実に収入を上げていくことができます。

魅力・やりがい

溶接工の仕事には、多くの魅力とやりがいがあります。

  • モノづくりの達成感: 自分の手で加工したものが、目に見える形で大きな製品や建造物になっていく過程は、何物にも代えがたい達成感があります。
  • 専門技術が身につく: 溶接は経験がものを言う奥深い世界。一生ものの「手に職」を身につけることができ、技術者としての自信につながります。
  • 社会を支える実感: 自分の仕事がインフラや産業を支え、人々の生活に役立っているという誇りを感じられます。
  • 成果が形として残る: 自分が携わったものが地図に載ったり、何十年も使われ続けたりするのは、この仕事ならではの大きなやりがいです。

溶接工に向いている人・向いていない人

どんな仕事にも向き不向きはあります。溶接工にはどのような人が向いているのでしょうか。

向いている人

  • ものづくりが好きな人: DIYやプラモデル作りなど、自分の手で何かを作り上げることが好きな人には最適です。
  • 集中力・忍耐力がある人: 溶接はミリ単位の精度が求められる繊細な作業。長時間、集中力を保ってコツコツと作業に取り組める人が向いています。
  • 探求心・向上心がある人: 「もっと上手くなりたい」「新しい技術を学びたい」という気持ちが、技術者としての成長を後押しします。

向いていない人

  • 集中力に自信がない、大雑把な人: 溶接の品質は製品の強度や安全性に直結するため、少しの気の緩みが大きな事故につながる可能性があります。
  • 体力に自信がない人: 現場によっては、暑さや寒さの中で作業したり、重い機材を扱ったりすることもあります。ただし、最近は作業環境も改善されているため、過度な心配は不要です。

必要な資格

溶接作業を行うためには、専門的な資格が必要です。資格は自身のスキルを証明し、仕事の幅を広げる武器になります。

「溶接技能者」は、日本溶接協会が実施する、JIS(日本産業規格)に基づいた公的な資格です。
溶接工の資格の中でも広く信頼されており、手溶接や半自動溶接など種類ごとに分かれています。
試験は実技を中心に行われます。

なお、溶接関係の資格のうち、国家資格に該当するものは、
労働安全衛生法を根拠とした特級ボイラー溶接士や普通ボイラー溶接士などがあります。

溶接の民間資格

法律で定められた作業を行うために必須となる資格(正確には技能講習や特別教育の修了証)もあります。

  • アーク溶接作業者(特別教育): アーク溶接を行うために必須の資格。比較的短期間で取得できます。
  • ガス溶接技能講習: ガス溶接を行うために必須の資格。こちらも取得しやすい資格の一つです。

未経験者は、まずアーク溶接やガス溶接の資格取得から目指すのが一般的です。

未経験から溶接工を目指す方法

未経験からでも、溶接工になる道は開かれています。

まずは、求人サイトなどで「未経験者歓迎」「学歴不問」「資格取得支援あり」といったキーワードで求人を探してみましょう。このような企業は、未経験者を一から育てる研修制度や体制が整っている場合が多く、安心してキャリアをスタートできます。

また、ハローワークが窓口となっている職業訓練校(ポリテクセンターなど)で、溶接の基礎を学んでから就職活動をするのも有効な手段です。

逸見工業様の紹介

ここまで溶接工の仕事について解説してきましたが、「溶接の技術を活かして、もっとスケールの大きな仕事がしたい」という方にご紹介したいのが、岩手県洋野町の逸見工業(へんみこうぎょう)です。

逸見工業は鍛冶工(かじこう)

逸見工業は「溶接工」ではなく「鍛冶工」という職種の会社です。鍛冶工は、建設現場で鉄骨を扱う専門家。設計図をもとに、鉄骨を切断・加工し、クレーンで吊り上げて組み立て、最終的に溶接して固定するまでの一連の作業を担います。

鍛冶工と溶接工の違い

「溶接工」が溶接作業を専門に行うのに対し、「鍛冶工」は鉄骨工事全体を手がけ、その重要な工程の一つとして溶接を行います。

例えるなら、溶接工が「接合のスペシャリスト」なら、鍛冶工は「鉄骨組立のプロデューサー」のような存在。溶接スキルはもちろん、図面を読み解く力、加工技術、組立の段取りなど、より幅広い知識と技術が求められます。何もないところに巨大な建物の骨格を組み上げていく、非常にダイナミックでやりがいのある仕事です。

逸見工業では、未経験からでもこのダイナミックな鍛冶工のプロを目指せます。溶接の技術を磨きながら、さらにスケールの大きなモノづくりに挑戦してみませんか?

逸見工業のホームページはこちら

まとめ

今回は、未経験からでも挑戦できる溶接工の仕事について、そのリアルと魅力をご紹介しました。

  • 溶接は、モノづくりに不可欠な専門技術
  • 仕事の幅は広く、経験と資格で高収入も目指せる
  • 未経験からでも、資格取得を目指しながらプロになれる
  • 溶接技術を活かせる「鍛冶工」という、よりスケールの大きな仕事もある

手に職をつけ、自分の手で未来を形にする。溶接の技術は、そんなやりがいのあるキャリアへの第一歩です。この記事が、あなたの新しい挑戦を後押しできれば幸いです。